高野京介ブログ

ゲーム音楽が好きなギタリスト SuiseiNoboAz / ゲスバンド / 古都の夕べ / ex.うみのて

SuiseiNoboAz/ubik

ubik  


この日記はiCloudによると2014年7月の日記をちょい加筆修正したものらしい


1  kamakura
2  adbird
3  No road, No surf.
4  tokimekinishisu
5  Sweet Destruction
6  HELL
7  mizuiro
8  Baseball Song
9  T.D.B.B. PIRATES LANGUAGE
10 I.O.U.
11 elephant you
12 rock'n roll
13 ubik


iPhoneに「ubik」しか入っていない。初夏に聴くこのアルバムは最高だ。ドラえもんに絵本の中に飛び込める道具があったが、おれもubikのアルバムの世界に飛び込んでしまいたい。心の奥底で眠っている、魔王にも女神にもなれず、神話になれなかった14歳の少年を発見できるのだ。全曲解説めいたものをするつもりだったが、自分の感傷を置き換えることになるだろう。それでも、もしこのブログを読む奇特な少年少女がいたら、どんな手段を使ってもこのアルバムをこの季節に聴いてほしい。そしてそれができることが羨ましい。Amazonでもototoyでも買える。Apple Musicでも聴ける。現代すごい。

ああ冒頭「kamakura」の電子音とスライドギターの美しさよ。もうビーチボーイズだよ、詳しくないけど。初夏めいた朝の空気と雨のにおいを閉じ込めた「adbird」いつかはすべてが音もなく消えると無常の「僕らは同じ耳鳴りを聴いた」とささやかな可能性への讃歌だ。ロードムービーにばっちりな少年たちの冒険のはじまりを予感させるヤンチャなチューン「 No road, No surf.」冒頭のタイトルはこの曲からである。レッド・ツェッペリンのような怒涛のドラミングから7拍子の重厚なキメまでセンチメンタルと侠気を加速続ける 「tokimekinishisu」 。そう、サウンドが絶品だ。エンジニア池内亮氏。個人的には3枚のアルバムの中でぶっちぎりによい。人外のような演奏に加えワーミーペダルやムーガーフーガーのフィルターでシンセのごとく加工され歌う溝渕ベースもパワフルかつタイトな櫻井ドラムの音像もヤバイ。そしてギターと声。「世界にとどめをさすのは俺のストラトに決まってるぜ」と言いノイズマシンを手に入れた現代のバッハのように美しく電子音とファズギターがミルフィールのように破壊的かつ甘美に配置された「Sweet Destruction」 、自転車で疾走/失踪するときにもピッタリの全時速対応ドライビングミュージック「HELL」言い訳一つなく疾走する「mizuiro」。打ち上げたスクイズ、という一節で照りつける真夏の逆光のにおいもただよう未成年ソング「baseball song」。飲みかけのコーラの瓶と蒼白く染まる新宿のビル街を重ね、現実とまぼろしの狭間を歩く綱渡りのような演奏とダイナミクスの中で繰り広げられる現代的トーキングブルース 「elephant you」 、そして季節や音楽、すべてに訪れるであろう終わりの予感を歌う「rock’n roll」。タイトルとは裏腹に、静かで青白いメロディを泳ぐ歌の中に「ロックンロール」なんて言葉はない。それでも、ちぎれて意味を失くしても、世界は糞だとしても。そういう気持ちは、そういう言葉はなんだっけな。アルバムの最後を飾る曲「ubik」。昔一緒にバンドをやっていた親友が言うていた。 「ubik」 の爆音は、地球が生まれ、破壊される音なんじゃないかと。眺めてるだけの海、アカシア、彼岸花、アジサイ。何かできそうな感傷、季節に取り残された気持ち、あこがれ、夕暮れ、夜、そして新しい季節まで。単館上映しかしなかった、それでも誰かを監督にさせてしまうような映画のサウンドトラックのようだ。

しかしリードトラックである、「T.D.B.B. PIRATES LANGUAGE」と悪ふざけでしかない極悪ヘビーチューン「I.O.U」はどう考えてもこのアルバムには異質。収録しなくてもよかったんじゃないか、と本人に言った。殴られはしなかった。ピザ食べたいマン。


高野京介は今、SuiseiNoboAzでギターを弾いている。そして、今のボアズも、かっこいい。

2016追記
最近ボアズチームは釣りにいった。釣果は40cmくらいのスズキや穴子など。石原正晴は切れなさそうな包丁で刃というより腕力で捌き、刺身とか天ぷらにしてくれた。うまかった。

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